グルコサミンも、ヒアルロン酸も、注射も、手術もいりません。
ひざ痛は原因が分かれば対処は簡単です。
膝に心配事を抱えている方、まずこのページをお読みください。
原因から、自分でできる対処法まで、じっくり説明していきます。
〇膝痛の原因ってなに??
膝が痛い、病院に行ってレントゲンを撮ったら軟骨がすり減ってた、という話をよく聞きます。
でも、膝の軟骨って擦り減るんでしょうか。
〇実は多くの人の太ももは外向きにねじれています
実は多くの人は姿勢の関係で太ももの部分が外を向いてしまっています。見た目でもО脚となっているので分かりやすいと思います。
〇太ももが外を向くと膝から下の部分との関係がねじれてしまいます。
といっても、膝から下が内側にねじれるわけではありません。膝から下はさらに外を向いてしまいます。
試しに太ももを外に向けて膝下つまり足先を内側に向けて立ってみてください。うまくたてませんよね(写真左 足の裏全面がが床についていません)。太ももが外を向くと膝下はそのバランスを取るためにさらに外を向くようになります。いわゆるO脚で、これに骨盤の開きまで加わるとがに股になります。(写真右)
〇早くもこのページの核心です 膝痛の原因は膝のねじれにあります。
さて、太ももと膝下がねじれた場合レントゲンには膝はどのように映るでしょうか。
ねじれの度合いというのはそれほど大きくありませんのでレントゲンで顕著な違いとして映るのは軟骨です。軟骨はその名のとおり柔らかいので、膝のねじれに対しても形を変えて対応します。ただ形を変えているだけですが、レントゲンで撮ると擦り減って見えてしまうわけです。
ですので、膝を正常な向きに戻せば軟骨も元の形に戻るというわけです。
でもねじれたからと言って、膝が痛むわけではありません。
えっ、じゃあなぜ膝が痛むの。
〇膝痛が治りにくい本当の原因
関節にねじれがあるといっても、大抵の関節はねじれても大丈夫なように、いわゆる遊びがあります。ではなぜ膝はねじれると痛むのでしょう。
実は痛みの原因はねじれた膝自体にはありません。というか、膝が痛んでいるわけではありません。痛んでいるは、膝を囲んで支えている筋肉なんです。膝の中に原因がありそうですが、膝自体は骨と靭帯でできているので、よっぽどの怪我でもない限りそこに痛みがでることはありません。痛むのは筋肉です。
〇どうして筋肉は痛くなるの
多くの場合筋肉は引っ張り合いをしています。当然引っ張られている方には痛みが出ます。なので、引っ張っている方を戻さないといくら引っ張られている方つまり痛い方を処置しても引っ張られている状態を解消しない限り痛みは無くなりませんよね。
膝をいくら揉んでもさすっても、痛みが消えないのはこのためです。膝の痛みが面倒なのはこのためです。
このことさえ分かれば、対応は簡単ですよね。
〇原因が分かったら、どうすればいいの
ではどうすればねじれは取れるのでしょうか。
膝に限らず関節は骨と骨のツナギ目です。しかし骨は自分では動けません。骨を支えている筋肉が関節をコントロールしています。ということは、そのコントロールがうまくいかない理由も筋肉にあります。
さらに、筋肉の表面は筋膜につつまれています。その筋膜にシワクチャができると筋肉の動きを制限してしまって結果関節の動きが悪くなり、関節にねじれが生じてしまうわけです。
このように、結果として膝が痛いという現象にたどり着いているわけですが、その原因をたどっていくと筋膜のシワクチャにまで行き着くわけです。
〇問題は、悪さをしてる筋肉を見つけることです。
ここまで分かれば、筋肉、筋膜のシワクチャを取れば膝の痛みが解消できることはご理解いただけると思います。
あとは、どの筋肉が関節の動きを制限しているかにかかってきます。
膝関節を制限する筋肉はひとつではありません。膝をコントロールしている筋肉が多岐にわたるためです。
また、一口に膝の痛みといってもいろんな種類があります。それぞれに原因となっている筋肉は違ってきます。
お医者さんはそれをレントゲンで見つけようとされますが、レントゲンには筋肉は映らないので思わしい結果にはなりません。
当院ではそれを手の感覚で見つけて行きます。
太ももを外側に向けている筋肉を疑えばいいのですから、自分で太ももから足に向けて、膝が外に向く方向に力を入れてみてください。その時固くなる筋肉を疑います。
といっても太ももから膝下まで多くの筋肉が固くなります。
この太ももを外に向かせている筋肉で、さらに膝をコントロールしている筋肉としては比較的ひざに近い筋肉ということになります。
〇見つける作業は大変だけど、結構パターンが決まってるんです。
手の感覚で悪さをしている筋肉を見つけるなんて、途方もない労力が必要そうに思えますが、症状についてもその原因についてもパターンがある程度分かっています。
特に多くを占める膝の内側が痛む場合の対処法をお話します。
〇膝に悪さをする筋肉達 その①
ひざをコントロールしていて、かつ太ももが外くため引っ張られ支障をきたしやすい一番の筋肉としては、縫工筋が挙げられます。これは腸骨(骨盤の広い骨です)の先あたりから膝の内側まで太ももの内側を斜めに走って膝の下まで走っている筋肉で体の中で一番長い筋肉と言われています。
この筋肉がいろいろな形で膝に悪さをすることが多いようです。図の①にあたります。(図は簡単に筋肉の位置を表しており、解剖図ではありません。)
この縫工筋は膝の内側から膝の正面下の部分まで走っているので、階段などを踏み込んだ時や降りる時に膝の内側が痛む場合は、まずこの筋肉を疑っていいと思います。
〇膝に悪さをする筋肉達 その②
この筋肉の隣にあるのが内側広筋②ですが、これと縫工筋がくっ付いて位置関係が悪くなるようですので、この内側広筋も要注意です。要するに太ももの内側の筋肉と思えばいいでしょう。さわると固いですし、押すと痛いのでわかりやすいと思います。
〇膝に悪さをする筋肉達 その③
次に、外側広筋③も太ももを外側に向けているという意味で、ねじれの元凶といえるでしょう。これが①の縫工筋を引っ張っていると言えるでしょう。
〇膝に悪さをする筋肉達 その④⑤⑥
膝をコントロールしているのは太ももの筋肉だけではありません。膝から下の筋肉も大きく関わります。
膝を外に向けようとすると、膝下の前外側の筋肉が固くなるのがお分かりいただけると思います。
ここには大きく3つの筋肉が走っています。スネの骨から外側に向かって、前脛骨筋④、長母趾伸筋⑤、長腓骨筋⑥の3つです。この3つのうちのどれか若しくは全部が悪さをします。
膝に悪さをする筋肉はまずこれらを疑えばいいかと思います。
〇この悪い奴らをどうしてくれよう その①
じゃあ、これらをどうすればいいのでしょうか。
ここでやっと出てくるのが、いろんな療法の技術や器具になります。どんな療法や器具であっても、ここまでの話を飛ばして痛いところだけに当てていてもその場しのぎにしかならないのはこのためです。
では、そのような技術や器具がないと対処できないのでしょうか。
そんなことはありません。単純に揉むだけで十分効果はでます。昔から、「手当」という言葉が使われている由縁ですので、皆さんも試してみてください。できれば、入浴中やお風呂上がりの方が筋肉も緩みやすく効果が出やすいと思います。一度で効果を期待せず、しばらく続けてみてください。
もちろん、当院ではここで腱引きという技術を使います。日本古来の技術で揉むという動作より早く確実に筋膜のしわを取っていきます。
〇この悪い奴らをどうしてくれよう その②
さらに、これらの筋肉を一括して伸ばす方法があります。それが体操です。
太ももが外を向くことが悩みの始まりですから、これを内側に向ければいいだけです。
立ち上がって、足を肩幅に開き、膝から足先を内側に向けます。これで、屈伸をします。膝が痛いのですからそんなに深く曲げなくても大丈夫です。自分で可能な範囲で曲げてみましょう。そして伸ばすときになるべくきちんと伸ばしてください。その方が膝により影響が出やすいようです。膝が内側を向いているので、結構楽に動かせると思います。試してみてください。
これについても、腱引きでは強引きという技術を使います。関連する筋肉を一気に調整していきます。また、運動指導としても行います。
〇最後に
ここまで自分で行える膝の修正方法をみてきましたが、もちろん悪さをしている筋肉はこれだけではありません。また人によって少しずつ状況は違いますので、当院へお越しいただければ各人に見合った施術を行えます。自宅での成果に満足できない場合は、当院を含めお近くの腱引きの道場・施術院へどうぞお越しください。
病院で「手術」や「ヒアルロン酸注射」の話が出た際、それらを試す前に手技なら気軽に試せると思います。腱引きを試してからでも手術も注射もは遅くないと思います。どうぞ一度お試しください。